君が見上げたあの空は
歩美は、愛歌が用意した朝食をたいらげ、登校準備を整えた。



「学園までの道は、判る?」

「はい。多分、大丈夫です。愛歌さんは、大丈夫なんですか?」

「大学は、今日は、午後からなの」



歩美は、愛歌に見送られ、歩きだした。

歩美は思い出した。

千鳥美羽の写真詩集、結局、見られなかったな。

教室だと、なんか恥ずかしいし、図書館で読もうかな。





明凪学園の校門を潜り、図書館に行くと、扉には鍵が掛かっていた。



歩美は踵を返し、考える。

図書館って、一日中開いてるわけじゃないんだ。

じゃあ、どこで見ようか?

教室は嫌だ。

グラウンドは目立つ。

保健室は無理だよね。

職員室は論外。

…と、なると…。




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