君が見上げたあの空は
「歩美さんがそうありたいのなら、私には、なにも言う権利は無いわ」



でも、と愛歌は続かせる。



「もしも、貴方が、そう望まずに、すりつぶされてしまったと言うのなら」



歩美は、包丁をとり落とした。



「そして、貴方が、それでは嫌だと言うのなら」



愛歌は包丁を拾い、背を撫でた。



「私に、隣に座ることを、許してくれないかしら」





< 76 / 132 >

この作品をシェア

pagetop