君が見上げたあの空は
放課後。



歩美は一枚のプリントを眺めていた。

風紀委員会で配られた、放課後の校内見回りのシフト表だ。

生徒会と放送部と風紀委員会が、交代で見回りを行う。

そして、その日は、風紀委員会が見回りを行う番だった。



「…ったく…」



歩美は思う。

なんで、女子が一人で見回りなんてしなきゃいけないのか。

危ないだろうが。

人数が奇数だからって…。



「…居残り生徒及び異常無ーし…」



一人、呟き、気付く。

…屋上が、まだだ。

歩美は溜め息をついて、屋上に足を向けた。




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