君が見上げたあの空は
「…絶望的な、確信です」

「他の可能性は、考えなかったかしら?」



歩美は吐き捨てた。



「考えてなんか、いません。どうせ、そうに決まってますから」



愛歌は頬に手を当てた。



「それじゃあ、それは、ただの絶望ねぇ」



愛歌はプレートを温め始めた。



「私は、どんなに可能性が低いと思う様なものであっても、ゼロと断言する根拠が無いのなら、それについても、考えるべきだと思うわ」



歩美は野菜をプレートに広げてゆく。



「ピーマンは、苦いだけかしら?」



歩美には、愛歌の問いに応えることは出来なかった。



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