君が見上げたあの空は
愛歌はプレートに、肉を広げてゆく。
「ピーマンは、よく噛めば。それか、なんらかの調理によってか、ソースによって、苦いだけではなくなるわ」
「…あの苦味成分は、毒です」
「人間は消化・吸収の過程で、それを無害化出来る。死に至る様なものではないわ」
「…それでも、苦いのは、嫌です…」
愛歌は人差し指を唇に当てた。
「歩美さんにとって、苦いのは、嫌なことなのね?」
歩美は声も出さず、頷いた。
「風邪薬の苦さ。ストリキニーネの苦さ」
愛歌は、肉を返した。
「これ、もう、食べられるわね」
「ピーマンは、よく噛めば。それか、なんらかの調理によってか、ソースによって、苦いだけではなくなるわ」
「…あの苦味成分は、毒です」
「人間は消化・吸収の過程で、それを無害化出来る。死に至る様なものではないわ」
「…それでも、苦いのは、嫌です…」
愛歌は人差し指を唇に当てた。
「歩美さんにとって、苦いのは、嫌なことなのね?」
歩美は声も出さず、頷いた。
「風邪薬の苦さ。ストリキニーネの苦さ」
愛歌は、肉を返した。
「これ、もう、食べられるわね」