君が見上げたあの空は
「貴方のプライドって?」

「こうありたいという自分、というか…」



愛歌は人差し指を立てた。



「歩美さんはもう、自分で気付いているみたいね」

「え…?」

「それは、プライドではないのではないかしら?」



…そうか。

歩美は、明確に意識した。



「…プライドというより、…信じたい自分像…?」



愛歌はころころと笑った。



「或いは、そうかもしれないわねぇ」



愛歌は人差し指を歩美の胸に向けた。



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