君が見上げたあの空は
「…って、なんで、居るわけ?」



歩美は腰に手を当て、足下に寝転がる蒼意を見下ろした。



「ありゃ。のっぺさん。ごきげんよう」

「応えて。なんで、居るわけ?」



蒼意は唸った。



「のっぺさん。顔の上には立たないでね。足とパンツとスカートしか見えなくなっちゃうから」

「誰が立つか」



歩美は本題を思い出した。



「…で、なんで、居るわけ?」

「のっぺさんは笑いそうだから、言わない」



そう言って、蒼意はゆっくりと立ち上がり、ふにゃりと笑った。



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