君が見上げたあの空は
「見つめる…」

「そう。見るだけじゃ、駄目なんだ」



蒼意はそれきり、黙った。

歩美は考えてみた。

どう違うのかを。

見る、と、見つめる。

…そういえば、愛歌さんも言ってた。

見つめる、と。



「そういえば、のっぺさん。今日は、HRに引っ張って行かないの?」



歩美は慌てて時計を見た。

教室まで、走らなきゃ、間に合わない!

立ち上がり、蒼意の襟元を掴んだ。



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