君が見上げたあの空は
昼休み。

机を囲むのは、歩美と小春と、蒼意と男子。



「いやぁ、歩美と空知くんの接近っぷり、なにが在ったのよぅ?」

「なんにも無いわよ。この色ボケ」



ニヤニヤと笑う小春を横目で睨み、歩美は、愛歌と作っただし巻き卵を口に放る。



「のっぺさん。冷たいねぇ。一緒に寝た仲じゃん」



蒼意は焼そばパンをかじる。



「ぬおぉっ、野原さんと空知は、そこまで進んでいたのかぁっ!」



男子は大袈裟に身体をひねった。



「そうさ、幸雄。俺とのっぺさんは、既に、皆の知らない、深い仲に…」

「だから、乗るなっ!」



歩美は蒼意の頭をはたいた。




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