君が見上げたあの空は
歩美は、鞄を持って立ち上がった。
「ちょっと、本、返して来る」
「前のアレ?」
「そ。ちゃちゃっと行って来る」
小春は泣き真似をして、目元を拭った。
「ああ…。行ってしまうのね、アナタ…」
「バリエーション、増やしたら?」
小春は唇を尖らせ、蒼意と幸雄を両脇に抱え込んだ。
「いーもんね、歩美が冷たくっても、私には、二人がいるもんねー、だ!」
「いやん。桜庭さんったら、ダ・イ・タ・ン…」
「ふふ、はるるん。俺と幸雄を、いっぺんに相手しきれるかな?」
騒ぐ三人を置いて、歩美は図書館に向かった。
「ちょっと、本、返して来る」
「前のアレ?」
「そ。ちゃちゃっと行って来る」
小春は泣き真似をして、目元を拭った。
「ああ…。行ってしまうのね、アナタ…」
「バリエーション、増やしたら?」
小春は唇を尖らせ、蒼意と幸雄を両脇に抱え込んだ。
「いーもんね、歩美が冷たくっても、私には、二人がいるもんねー、だ!」
「いやん。桜庭さんったら、ダ・イ・タ・ン…」
「ふふ、はるるん。俺と幸雄を、いっぺんに相手しきれるかな?」
騒ぐ三人を置いて、歩美は図書館に向かった。