優しさの理由
「お前も不器用だな」


鈴が帰った後、病室に残ったのは俺と兄貴。


2人だけになった病室で兄貴がそう呟いた。


『何??』

「かわいいじゃなくて好きって言えよ!!鈴のこと好きなんだろ?」

『……』


核心をついてくる兄貴の言葉に

俺は何も言い返せなかった



俺の好きな人は鈴だ。


今まで恋なんてしたことないし、恋がどんなものかイマイチ分かんないけど


鈴のことは本当に大切にしたいと思う


だけど…俺はこんな体だから


気持ちは伝えられない…


「告白しねぇの??」

『出来ないよ。俺は入退院繰り返す様な奴だよ?
鈴の幸せ考えたら絶対無理…』




鈴は俺の大事な人だし幸せになってもらいたい


だから…俺みたいな奴より


健康で鈴をしっかり支えてやれる奴の方がいいに決まってる


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