岬の夕陽
普通電車で、とりあえず決めた駅まで向かうことにした。

それが岬のあるこの駅だった。

理由は、むかし大学の本に載っていたこの岬から見た美しい夕焼けの写真が気に入っていたからだ。

駅を降りて史郎は空腹を覚え、駅前の定食屋に入ることにした。

ドアを開けようとしたとき、中から中年女性の怒声が聞こえてきた。

「まったくなんて子だい!」
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