岬の夕陽
史郎は店から出るのも気が引けたので、出口近くのテーブルについた。

すると女の子がおひやを運んできた。

顔を洗ってきたようだが、泣いた様子は誰から見ても明らかで、頬は真っ赤なままだった。

「大丈夫ですか?」

史郎はたまらず小声で声をかけた。

彼女は小さく頷くと、注文は何かを尋ねてきた。

私は煮魚定食を頼んだ。それを聞いて彼女はまた奥に引っ込んでしまった。

しばらくして女主人が煮魚定食を運んできた。

史郎は女の子の様子を調理場にうかがったが、よくわからなかった。

史郎は味のわからぬ煮魚定食をとりあえず食べることにした。
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