岬の夕陽
食堂を後にした頃、時計はすでに夕方の4時になろうとしていた。

今日の日没は5時頃のはずだから、岬に行けば夕焼けが見れるはずだ。

それを見たら今日泊まるはずのホテルのある駅まで、また列車で移動だ。

史郎はガイドブックの地図を頼りに岬にたどり着いた。

港からやや離れたその岬は、切り立った岩で出来ていて人影はなかった。

時折静かな波音が響くだけだった。

太陽は地平線に近づき、空の色が変わり始めていた。

史郎は岬の先端まで歩き、適当な場所を選ぶとそこに腰をかけてた。

そして鞄から文庫本を出して、心地よく過ぎる時間を味わうことにした。
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