《中》マケイヌとカチネコ


「んで、挨拶ぐらいちゃんとせえっ!!」

「は…はいっ!!すいません!!」


 ようやく口を解放された俺は、必死に謝りながら、我ながら素晴らしい勢いでペコペコと頭を下げる。


「分かったらえぇ。」


───俺の鼓膜…何だか変な音したけど大丈夫だろうか…。


 満足そうな顔をする歌誌葉を横目に、少し耳を心配する俺。


「……伊井川…。」

「はいっ!?」


 急に後ろから声をかけられた。


───しまった。さっきの流れで変な返事を──…てか汰輔って喋るんだな…。


「……歌誌葉は…礼儀に…厳しいから…しっかり…した方が…いい…。」


───なんだコイツ会話を文節で区切ってやがる。


「……返事…は…?」


───喧嘩売ってんのかこのクソガキ…っ!!一発殴って「喧嘩は禁止アルよー。」やろうかこのクソじじぃがぁ──っ!!


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