《中》マケイヌとカチネコ


「あ、そうじゃ。流樹よ。」

「何ですか!?」


 突然乱入してきた舞花にイライラしながらも、冷静に言葉を返す。


「お主は、次の人間へと生まれ変わる気は、あるかの?」

「…へ?」


 深刻な顔で、ゆっくりと聞いてくる舞花に、拍子抜けした。


「皆、あるから修行してんじゃねぇの?」

「もう!!舞花ったら、声が大きいですわよっ!!」


───あんたが一番五月蝿いよ。


 口が開きそうになるのを、必死の思いで抑えながら、心の中で密かに突っ込む俺。


 世の中を生き抜くためには、時には我慢も必要だ。


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