《中》マケイヌとカチネコ


「簡潔に言うと、アタシ等は、次の人間に生まれ変わりたくないんや。負け犬卒業のための修行なんか、此処だけの話上辺だけやし。誰も卒業なんかする気あらへん。アタシも、教育係卒業する気あらへんのや。」


 苦笑いしながら分かり易く説明してくれる歌誌葉は、やっぱり負け犬とは違うことを再確認させられる。


「もう一度聞くが…。」


 舞花がまた暗い声で口を開く。


「お主は、負け犬を卒業して、また新しい人間に生まれ変わる気は、あるかの?」


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