《中》マケイヌとカチネコ
仏教だかキリスト教だか、どっちともつかない朝礼の後、女性陣が作った朝食を食べた。
「流樹の席はそこですわよ。」
「はーい。」
この日の朝食は、フレンチトーストだった。
「いただきまーすっ。」
味は、想像を遥かに上回るものだった。
歌誌葉が中心となって、女性陣が皿を片付ける。
と、皿を積み重ねて忙しく動き回る歌誌葉に、近付く佐吉が視界に入った。
「今日も旨かったぞ歌「気持ち悪いわ馬鹿親父!!」
───あんだけデレデレな癖に、何で暴言は平気なんだろう…?
「……歌誌葉…。」
汰輔の声に、忙しいからか、素早く振り向く歌誌葉。
「ん?」
「……今日の…料理も…最高に…美味しかった…いつも…ありがとう…。」
優しく微笑んでみせる汰輔。