《中》マケイヌとカチネコ
全員、息切れした佐吉の周りに集まる。
「何かあったのか?」
俺が覗き込むと、汗だくの頭を勢い良く上げて、高らかに言い放った。
「新入りや!!」
「「「「「「「新入りぃ?」」」」」」」
全員でハモった事に感動を覚える俺達。
「この雲の上に、新入りさんが来たんや!!」
「おぉっ!」
─パチパチパチ…
───何で拍手するんだろう…。
そう思いながらも、一緒になって拍手をするこの時の俺は、この後の波乱を、欠片も想像出来ていなかった。