《中》マケイヌとカチネコ
「…─とまぁ、そんな感じやな。」
その後は佐吉のテントで、俺の時と同様、説明会が行われた。
「はいっ。分かりましたっ!」
「なぁなぁ、祈衣華。」
「なんでしょう、歌誌葉さん?」
「そのさ…敬語とさん付け、どうにかならへん?堅苦しいんは嫌いなんや。」
顔で"うんざり"という言葉を表現出来る美少女は、本当に珍しいと思う。
しかし、言われてみればそうだ。
「わしらは皆、呼び捨てじゃしの。」
「それにタメ口アル。」
「仲良しの証ですわ!どうにかなりませんこと?」
「どうですカ?」
「……その方が…きっと…いいと…思う…。」
全員が、期待の眼差しを向ける。