《中》マケイヌとカチネコ
その後はというと、女性陣の仕事である炊事も楽々こなしてしまう祈衣華は、すぐに打ち解けていった。
「……祈衣華…歌誌葉…うぅ…。」
汰輔の恋愛対象も1人増えたらしく、どちらか1人に絞ろうと、毎日必死になっていた。
すると、
「流樹さーんっ!」
俺の名前を呼ぶ、明るい声に振り向くと、祈衣華がトコトコと走ってきていた。
「どうした?」
「あのですね…その…。」
急にモジモジし始める。風に揺れる長いふわふわした髪が、何ともいえない可愛さを醸し出している。
「もし…もしよかったら今日「流樹ぃーっ!!」
「うぉっ!?」