《中》マケイヌとカチネコ
睡眠というのは、人間の人生の大半を埋め尽くす大切なもので、それは老若男女関係なく、全ての人間が好むものである。
そして今朝、俺は、その大切なものを見事なまでに妨害されていた。
「流樹さん、流樹さんっ!」
「流ぅ樹ぃぃーっ!」
普段よりも早すぎる時間に夢の世界から引き剥がされたかと思うと、目の前に美少女2人が居た。
満面の笑みで。
「どうしたんだ…?こんな朝早く…ふわあぁぁぁ…。」
涙目の俺を見つめる2人は、俺に聞こえないように、コソコソと何かを囁き合っている。
「えっとですねっそのですねっ」
祈衣華がニコニコしている。
「今日は運動会なんやっ!」
「運動会?」
そんなものがあったとは初耳だ。
「そんなものがあるのか?」
「はいっ!」
異様な程、2人ともニコニコしている。
「じゃあ行きましょう!」
「あ…あぁ…。」