《中》マケイヌとカチネコ
改めて周りをゆっくりと見渡すと、マップを発見した。
「お…マップ…。」
「……。」
俺達はマップを囲むと、道らしき細い線を辿る俺の指を目で追った。
「なになに…?」
障害物を一つずつ読み上げる俺。
「まず匍匐前進40m…その後ハードル走50m…水泳305m…自転車1km…一輪車5m…。」
───絶対一輪車要らねぇ…。
「……やっぱり…拷問…」
「………。」
『み…見るアル!!あの佐吉が一言も喋らないアルよ!?』
『うわっ…超レアじゃねぇか!』
『……いつもより…ちょっと…老けてる…。』
『歌誌葉に嘘疲れて連れて来られたものだから、この世の終わりみたいな顔してやがる!!』
『Oh!!こっち向いたヨ!!』
小声で話す俺達の方を振り返った佐吉は、落ち武者よりも負のオーラに溢れていた。