《中》マケイヌとカチネコ
「ちょっ…祈衣華やめ「い…痛い痛い痛い痛い痛い!痛い!!」
俺にしがみつく歌誌葉と、それを無理矢理引っ張る祈衣華。無論、一番被害を受けるのは俺なのだ。
「落ち着くのじゃ2人共!流樹が潰れるじゃろうが!」
───舞花ナイス!!
慌てた声の舞花が、2人を俺から引き剥がした。
「もうっ…歌誌葉ちゃんったら…。」
「ごめんごめん!」
「………舞花にお願いしてもいいですか。」
「…もちろんじゃ。」
俺と舞花は同時に溜め息をついた。
「いや突然じゃって…済まぬの。まぁ簡単にいうと賭事じゃ。」
やっぱりギャンブルか。
「一位は誰か、皆大切な物を賭けておるのじゃ。」
「大切な物?」
此処ではお金が無いのを忘れていた。お金以外に、何を賭けるのだろうか。