《中》マケイヌとカチネコ
「流樹さん、寒いですか?」
「いや、大丈夫…。」
今俺は、祈衣華の作ったお粥を大人しく食べている。
「あの…流樹さん。」
「ん?」
「流樹さんは…その…恋とか…してないんですか?」
「恋?」
「はい。」
前に一度、歌誌葉にも同じことを聞かれたような…。
「どうしたんだ急に?」
「いえ…この機会に、と思って…。」
俯いてしまった。顔がほんのり赤く染まっている。
どの機会なのか理解に困ったが、別に答えない理由もない。
「俺は好きな女は居ないよ。」
「えっ!?」
何をそんなに驚くんだろうか。
「………え?」
「…なら好きな男の人は居るんで「んなわけねぇよ!!」
何をホッとした顔を…。