《中》マケイヌとカチネコ


「じゃあ…少し期待しちゃいますよ?」

「………何に?」

「それは秘密です。」


 理解できない。


「今、歌誌葉ちゃんと勝負してるんです。」

「勝負?」


 仲のいい女性陣の中でも、特に仲のいい2人だ。そんなに意外でもないが、初耳だった。


「はいっ。」

「どんな勝負なんだ?」


 すると祈衣華は、にっこりと笑って、


「鈍感な流樹さんには、もうずっと分からないことかも知れませんね。」


 と言った。


「どういうことだよ!?」

「そう言うことですっ。…でも、ヒントぐらいなら教えてあげてもいいですよ?」

「教えてくれっ!」


 なんだか今日の祈衣華は、にこにこしている。


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