メガネの下に隠れた表情 (完)
 

―――ってことで。


彼のメガネをはずしてみた。


「!ちょっ…見えないから返して」


キミは私の方に向かって、慌てたように手を伸ばす。


いつもと同じように、ほんわかした声。


何も変わってない。


「………つまんない。」


「えっ、何が?」


何が起こってるのかわからないという、キミの表情。


やっぱ何も変わんないよねー。


そんなものだよな。


「はい」


私はキミにメガネをかけてあげる。


キミは私にかけられたメガネを、クイクイと動かして整えた。

 
< 2 / 9 >

この作品をシェア

pagetop