メガネの下に隠れた表情 (完)
―――ってことで。
彼のメガネをはずしてみた。
「!ちょっ…見えないから返して」
キミは私の方に向かって、慌てたように手を伸ばす。
いつもと同じように、ほんわかした声。
何も変わってない。
「………つまんない。」
「えっ、何が?」
何が起こってるのかわからないという、キミの表情。
やっぱ何も変わんないよねー。
そんなものだよな。
「はい」
私はキミにメガネをかけてあげる。
キミは私にかけられたメガネを、クイクイと動かして整えた。