伝えてほしいこと
症状はきわめてあの病気に似ていた。

ジェームズではどうにもならず、このままでは生命に危険があるというのだ。

ジョンは、複雑な気持ちを抱いたまま、ポールとぎこちなく15年ぶりに再会し、初めて出会う自分の孫を診察した。

その顔はとても穏やかで、そして小さな頃のポールとそっくりだった。

「何とかなるかな?」

「わからんが、全力は尽くす」

「…ねえ」

「何だ」

「ありがとう、父さん」

「礼は必要ない。わしは医者だし、マイケルは孫だ。助けるのは当然だ」
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