白黒世界*彼がくれた幸せ*
男は、気絶してるらしく、何も反応が無かった。
………つまんない。
私は、また歩き出そうとした。
そう、歩き出そうとしたんだ。
「待てよ。」
その声が無かったら、歩き出していたんだ。
スッと振り反れば、
素敵なイケメンが…
キラキラ輝く銀髪は、闇の中で良く映えていた。
顔は、月明かりに照されていて、はっきりと見えた。
小さくても男らしい顔立ちに、少し切目の瞳。
眉間には、皺が寄っていて、
なんとも不機嫌そうだ。
その男は、建物の壁に寄りかかり、腕を組んで、長くスラッと伸びた足も軽く組んでいた。
なんとも絵になる男なんだろうか。
『何?』