白黒世界*彼がくれた幸せ*
「何者だ。」
とても不思議な事を言うね。
この人。
『何故、知らない人間に教えなくては、ならないんですか?』
一応敬語で微笑みながら、でも目は、覚めていて、
男は、微かに目を見開けば、
クツクツと喉で笑うと。
「俺は、阿部 迅ーアベ ジンー」
何を思ったか、自己紹介をし始めた。
なんだコイツと眉を潜めるが、男は、それすらも楽しそうにまた、クツクツと笑った。
………イラッ
流石に二回目となると苛ついてくる。
男は、笑いながら
「お前は?」
そう言った。
私は、ため息を吐いて、
『西嶋 凛ーニシジマ リンー』
そうとだけ呟く。