遠い距離
「何してるんですか!」
俺は見知らぬ男性に声をかけた。
身長は高い方で、服装もぴちっとしたシャツを着ていて、気品のある人だった。多分、年齢は34、5歳。
「……誰ですか、あなたは?」
「…俺はあなたが肩を掴んでいるその女性に用がある者です。」
「どういうご関係で?」
さっきより男性の目が鋭くなる。
「あなたに答える義理はない。」
だけど、ここで引くわけにはいかない。
きっとこの男性こそがメールで言っていたプロポーズの男性だろう。