遠い距離


『はい……今度こそ彼女を不安にさせないために来ました。

――だからあなたと話し合いました。逃げたくなかったから。』




ここで逃げたら以前の俺と何も変わらない。




『本当にありがとう。

――…ずっと伝えたかった。』




俺はこの日、本当に俺の罪が洗われた気がした。




『……じゃあ、私を待ってくれている人が居るから…もう行きますね。』




『はい、俺も。』




彼女に会いたい。




俺達2人は静かに席を立った。
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