遠い距離


だけど、




プップ――――…




嫌な予感がした。


彼女が渡る信号を走ろうとしているあのトラック。


何故か母親の時の交通事故が蘇る。


あのトラックから目が離せない。


何だかよく見ると走り方もおぼつかなく見える。




――――ダメだ。




直観的にそう思った俺はいつの間にか走り出していた。
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