王子様と中学生



もぉー、
強引なんだから…




そう言いながらも、
ショッピングを楽しみにしたり、髪型何にしようか迷ったりする自分がいる。





「杏李はどんな髪型にするの?」




ふと、遥菜が聞いてきた。





「んー…。
まだ迷い中かな?バッサリ切りたいなぁって思ったりとかね…」

あたしがそう言うと、



「ダメ!杏李は長いのが似合うの!!切っちゃダメ!」






…………。




こないだもそうだった。
ずっと…
だからあたしの髪は腰まである。
正直言って洗うのが大変だ。
お風呂はいつも1時間は入る。

でも、文句は言うけど、
髪をバッサリ切ったら寂しくなると思うから、遥菜の言うことを聞く。





「わかったょ♪髪は毛先だけ切ってもらって、髪の色を赤茶からオレンジにする!」



「それでよし!
オレンジかぁ…うん!杏李にぴったり♪」


「そうかな?」


あたしがそう聞くと、


「そうだよ!杏李は明るくて可愛いんだから♪」


と遥菜に熱く語られた。





それにしても、

可愛いって…



あたし可愛いくないし……。




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