好きでいていいですか? 黒いスーツのお兄ちゃん
仁side


皐月の呼び出しで、
久しぶりの実家に来た。


ただ事じゃねえ雰囲気だ。



「よぉっ!って、みんなして殺気だってなんなんだよ…」


ジジーはともかく、
聖夜、皐月、歩、それに
日向まで和室に集まっている。


銀河やジジーの組の連中も殺気だっている。



「仁、落ち着いて聞けよ。」


「なんなんだよ。皐月。」


「翼が…拉致られた。」



「なんだって!?
翼が拉致られただあ!?
誰が!!ドイツが!ただじゃおかねえ!」



「仁!落ち着けって言ったろ…」


ぶちキレる俺を歩がとめる。


そして、皐月がまた話し出す。



「さっきな、桜が来てな。一緒に倉庫へ行く約そくしてたのに、なかなか来ねえ翼に連絡したら…女が出たんだと。」




「女だあ?」



「俺んとこがバックでついてた店のやつ。絵美華だ。そいつがな、言ったんだよ。『雅彦にくっつく害虫を始末するってな』」




!!!



雅彦が絡んでる!?


女の嫉妬で翼を拉致ったっつうわけだ。



「こうしてる場合じゃねえ…翼を探さなきゃ!どこなんだ!?」



「早まるんじゃねえ!」


バコっと頭をどつくジジー

「いった!
おい、ジジー。年寄りの癖になんつうバカ力だよ。」



「仁!暴れんなよ…
今、俺の組の連中と、聖夜さんのとこに翼を拉致った奴らが誰なのか調べさしてる。」



「絵美華じゃないんか?」


「絵美華ひとりで拉致るわけないだろ。
今、雅彦が絵美華にあいにいってる。」


雅彦のやつ…

翼に何かあったら命ねえぞ!

「俺の族も今翼探してる。とりあえず、俺らは情報わかるまで待機っつうわけだ。親父…」



なんか…日向落ち着いてる。


日向の方がしっかりしてんな…




「な~んか匂うんだよな~」



聖夜がボソッと言い出す…



なんなんだよ…



「単なる嫉妬だけじゃなさそうだぜ…
裏の人間が関わってる気がする…」



「とにかく、今は雅彦を待つぞ。」



なんか…久々に
大事件が起きた。



俺の大事な翼が…




拉致られた…





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