好きでいていいですか? 黒いスーツのお兄ちゃん
しばらくして着いた場所は、ファミレスだ。



店内に入ってもまさくんは居なかった。



後から来るのかな…


「とりあえずドリンクバーでいい?」


「は…はい。」



お姉さんは注文を済ませ
タバコを吸う。



「雅彦、来ないわよ。」


キョロキョロする私に
お姉さんは、意地悪な笑みを浮かべた。



「え?」


「雅彦の名前出せば、
ついてくるんじゃないかと思ってね。
今日は、翼ちゃんに話があるんだよね。」



低い声で話すお姉さんに、気がひけてしまう…



「話ってなんですか?」


「率直に聞くけど、
雅彦が好きなんでしょ。」


「そんな…」



「本当にわかりやすっ。
この間だって、嫉妬しちゃってさ可愛いよね~チビちゃん。」



「……。」



「でもね、雅彦はあげない。翼ちゃんみたいなお子さまには無理よ。」



ごもっともなことを言われ、チクリと胸が痛む。





「雅彦を満足させてあげられるのはアタシよ。

勘違いしてるかもしれないけど、あんたがつきまとってるせいで雅彦迷惑してんの。」



「迷惑…?」


「そう。
あんたのお守りさせられて迷惑してるのよ。


いい?あんたなんて眼中にないの。

だから傷つく前に、諦めるのね。」



「そんなの…そんなのわかってます。

私が眼中にないことくらい、」



「じゃあ諦めたら?」




「諦めません!」




無理だもん



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