ホームレスな御曹司…!?
*重ならない想いとカラダ*
あの寒空の下、ヨレヨレのコートを着たチカブミさんが見える。


首もとにはあたしがあげたワインレッドのマフラーを巻いて。


「チカブミさんっ!」


あたしは彼の背中を追うのに、走っても走っても辿り着けない。


どんどん距離は広がって、チカブミさんの腕に絡まるようにして寄り添う女の人は、あたしを見て小さく笑った。


───………。
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