ホームレスな御曹司…!?
「大切なおじいさまなんですね」


「ハ…ハイッ」


顔を赤らめてスマホケースを大事そうに持つ女の子が初々しい。


「素敵なラッピング、いたします」


「お願いしますっ」


商品を受け取って、英字新聞を使ってラッピング。


あたしは自分の製作したスマホケースを持って、女子高生に並んだ。


「あの、お客様」


「ハ、ハイ?」


「せっかくですから、お客様もお1つどうぞ」


「えっ…。でも、予算が…」


「フフッ。お代はいただきません」


「えっ?」


「あたしが作ったスマホケースなんです。お店に並ぶ前だから、まだ、タダ。お気に召した柄をお1つプレゼントします」


「…いいん…です、か?」


「どうぞ」


「じゃ…じゃあ…このサクランボ柄…あ、でも、いいですっ!タダではもらえませんっ」


「あたしはいただいたから」


「…え?」


「お客様の気持ち。だから、ねっ?」


?顔の女子高生にサクランボとレースを使ったスマホケースをきれいにラッピングして渡した。


「ど…も…」


「ありがとうございました」


お店の前で手を振って別れた。
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