ホームレスな御曹司…!?
*不器用なキス*
あれから一週間。


店長さん───近文さんのお母さんから特別変わった話もなかった。


そのテの話を避けてるのか、元々の天然素材の持ち主なのかはわからないけど、


「今日もいいお天気ねぇ」


「早く桜が見たいわぁ」


「やーね。花粉症対策もそろそろね」


なんて。


店長さんらしいと言えばらしい話ばっかり。


あたしもなんとなく、近文さんの事を詮索する気になれなかった。


近文さん本人は口止めしてたワケだし。


それを知っててお母さんである店長さんに聞くのは、いささか卑怯ではないか、と。


だからここに変化はなくて。


それがあたしにとってはもどかしいような心地良いような、そんな日々。
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