ホームレスな御曹司…!?
───パチン


店舗の電気がつけられた。


あたしを探しているかのように動き回る人の気配。


1秒がすごく長く感じられて。


───カツン、カツン、ツン…


あたしの傍で止まった足音。


「オイ」


「…ッ…!!」


足の震えを止められず、あたしはうずくまって身構えた。


「お、お金なら出しますッ!お願いだから、殺さないで…ッ!」


「オイ」


「あ、あたし、所持金少ないんですッ。今日の売り上げもそれ程…」


「だからオイ、って。オマエ何言ってんの?」


………?


聞き覚えのある声…。


恐怖に震えながらもそろそろと顔を上げると…。
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