ホームレスな御曹司…!?
「…っ…っ…。好き、で…っ…っ…。飛び込みたいのに飛び込めなくて…。苦しくてバラバラにちぎれそうだったの…。あたし…あたし…!」


「全部見せろよ」


「ハイ…。あたし…どうしても近文さんが…欲しい、です…」


「オレも。知香が欲しくてたまんねーから」


───愛してるよ、知香


そう耳元で囁いた近文さんの唇があたしの唇に降る。


何度も何度も重なる唇に。


自覚を持って届けられる、キス。


もっと気持ち。


もっと恋。


もっと愛を。


あたしなんかの不器用なキスで届くかな…。


近文さんなら。


わかってくれるよ、ね?
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