ホームレスな御曹司…!?
黙って頷く知香を心から愛しいと思ってしまう。


心から。


まるごと欲しいと願ってしまう。


今日は、オレ。


知香を手放せねぇ、な…。


着いた家、玄関で靴を脱ぐと、オレは知香を抱いてベッドへ直行。


「あの…!えっ!?ち、近文さんっ!?」


「もらうぞ?」


「ヤ…こ、心の準備ってモノが…!」


「ふーん。オレとは、イヤ?」


「イ、イヤとか…そんなんじゃ、なくて…」


キョどってる知香を静かにベッドに降ろし、オレはその上に乗る。


目を合わせようとしない知香に、甘い、甘いくちづけを。


「…ん………」


キスが熱くなれば熱くなるほど、知香は息継ぎに困るらしく、か細い息を漏らす。


それが。


オレをどうしようもなくかき乱す。


そっと唇を離すと潤んだ目の知香が、すがるような目でオレを見た。


「知香?」


「あの…愛し合うって…痛いんです、か?」


───???
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