ホームレスな御曹司…!?
「知香、言っただろ?違う身分なんてない、オレはちっぽけな男なんだよ」


「…っ…っ…。だって…怖いんだもん…」


「大丈夫だって。オレの言葉、信用できない?」


「信じたいけど…不安の方が大きいの…」


「じゃ、もう前に進まねぇの?」


「え…?」


「知香っていつだって前に進んでただろ。仕事なくしても、オレを見失いそうでも、ちゃんと自分を探してただろ。ここに来て踏み止まるワケ?」


「あたし…」


「やめる?」


「…行きます」


ほら、な。


知香はけしかけると、俄然強気になる。


じゃじゃ馬で意地っ張りな知香。


そんなトコまで。


オレを刺激する。


───パタン


2人で車のドアを閉めて、玄関の扉を開けようと…
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