ホームレスな御曹司…!?
「あのっ!初めましてっ。桐沢 知香と申しますっ!近文さんと、えっと…おつき合いさせていただいて…マス…」


親父は深々と頭を下げる知香とオレを交互に見た。


「まぁ、座りなさい」


2人揃ってソファーに座ると、知香はさっきまでの弱気はどこへやら、肝を据えて親父を真っ直ぐ見つめていた。


「時弥から話は聞いてる。知香さんは、時弥とはどういうつもりでつき合ってるのかな?」


「真剣に、将来を考えたおつき合いをさせていただいてるつもりです」


「結婚、を?」


…って。


オレ、まだプロポーズもしてねぇのに先走るなよッ。


「親父、今日は顔合わせるだけの約束だったろ?」


「大事な事だ」


「知香に言わせるな」


「時弥、オマエ、もしかしてまだプロポーズしてないのか?」


…図星。
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