ホームレスな御曹司…!?
───ガバッ!!


布団を勢いよくはがし、洗面所で鏡をチェック。


少しだけハネた髪、口元に…ホント、ヨダレだ…。


あたし、あの人に残念なトコしか見られてない気がするぅ…。


酔ってリバース、バージン女のヨダレ。


つくづくだよ、あたし…。


水だけで顔を洗い、軽くドライヤーを当てて、キッチンで手早く朝ご飯の支度。


トーストに目玉焼き、ウィンナー、トマトの角切りサラダ。


コーヒーなんてインスタントでかまわないっ。


「どーぞ」


「わっ。あったかいできたての食事って、いいよなー」


「言っておきますけど、アレやコレのお礼はここまでですっ。服、乾きましたから、どうぞ速やかにお引き取りをっ」


「ハイ、ハイ、焦らない焦らない。二晩分の礼、オレもそれなりにさせてもらうから、さ」


「…?」


「いただきまーす」
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