ホームレスな御曹司…!?
Yesなんて…言えっこない。


あたしは茅原さんが好きってわけじゃないし、突然の告白に首を縦に振れる程、経験豊富な女子でもない。


切り抜けられないピンチに浮かぶのは、なぜか…。


───チカブミ トキヤ


昨日に戻れたら…。


戻れたら、チカブミさんはビールを飲みながら、あたしはアイロンでコートを焦がしかけてて…。


「知香ちゃん、Yes、だよ?」


「あたし…!」


「ボクってさ、こう見えてかなりせっかちでね。手っ取り早くキスで知香ちゃんの気持ち、もらおうか?」


「キ…!キ、ス…!!」


「へぇー…。キスの経験もナシか。ますます興味深いな。こんなにかわいいのに、どうやって今まで男女交際してきたの?」


「…ない、の…」


「えっ!?23でまだ何も…ってゆーか、この手の免疫ナシ!?あらぁ…ちょっと早まったカナ?」


「無理、なんです…」
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