ホームレスな御曹司…!?
「トキヤー、いる?」


ホームレス小屋のビニールシートをはがして茅原さんが親しげにチカブミさんを呼ぶのを、あたしは少し離れて見てた。


「おっ、広樹と…知香?」


チラッと目を合わせただけで、あたしは顔を伏せた。


「オス。相変わらずホームレスしてるなー」


「だろ?この生活の方がしっくりハマる。世捨て人、バンザイだよ」


「ったく、トキヤは昔からやる事が極端だからなー」


「今に始まった事じゃねーよ。で?何か用?」


「あぁ」


離れて2人の会話を不思議そうに眺めていたあたしを、茅原さんは引き寄せ、後ろから強く抱き締めた。
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