ホームレスな御曹司…!?
茅原さんの手をくぐり、トイレへダッシュ。


鏡に写った真っ赤な顔したあたしの首には…赤く印された茅原さんの熱がそこにあった。


「ね?ついてるだろ?」


後ろから抱きすくめられて、あたしの髪を舌でなぞる茅原さん。


その熱が…あたしの気を遠のかせる。


「いい顔だね。知香ちゃん、もらうよ?」


「あ…ヤ…」


茅原さんのゆるやかなパーマをかけた前髪があたしの睫毛に触れる。


鼻と鼻とが愛撫して。


唇まであと…数ミリ…
< 72 / 206 >

この作品をシェア

pagetop