ホームレスな御曹司…!?
「ね、知香ちゃん」


「うん」


「もう一回チャレンジさせて?」


「何を…?」


「飢えたオオカミくんの食事」


「うん…」


───ハムッ


耳に広樹の唇から伝わる心。


受け止めなくちゃ、って。


握った手に力を込める。


「固くならないで。優しくするから」


囁かれた言葉に頷いてみるけど、涙が出そうになる。


目をつむって広樹のつたう唇を待つ。


耳、首筋、鎖骨からリボンをほどいたブラウスの胸の少し上。


そのまま倒されたソファーの上でめくり上げられたスカートの手に。


自分じゃどうしようもなく震えだす体。
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