ホームレスな御曹司…!?
昨日。


1日中あの公園にいたからなぁ…。


もしかしたらチカブミさんに会えるんじゃないか、なんて。


バカみたいに考えて食パン片手に鳩と仲良くしたりして。


はぁー…。


会っても…広樹の彼女であるあたしがチカブミさんに話す事なんて、ありっこないのに。


「コホンッ、コホンッ!」


あーあ…。


このダメージ、メンタルの方が大きいカモ。


フラつく足で病院へ行こうと着替えを試みるも、断念。


風邪で死ぬ事もなかろうと、あたしは再びベッドへ伏せた。


ガンガン脈打つ頭に軋む体。


それでも朦朧とする意識はすぐに深い眠りに落ちた───。


───………。
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